海浜公園のチューリップで、こんなに気分が盛り上がるとは思わなかった。
門を抜けて間もなく、松林の中に色とりどりに咲いたチューリップの花!花!花!
木漏れ日に彩られたチューリップで、びっくりするほど松林の中が明るい。
皆、思わず歓声を上げ、おばさんは花の美しさをたたえ、カメラおやじは夢中で写真を撮っている。
配色や形を考え、球根を植え、育てた人。達成感があるだろうなあ。
見渡すと、ほっかむりをした年配の女性が、しおれた花弁を摘み取っている姿があった。
日々手入れしているから、今この景色がある。
ここは高台になっているから、津波はこなかったのだろう。本当によかった。
ひたち海浜公園は、かつて日本軍の水戸飛行場、のちに米軍の射爆場(射撃や爆撃の練習をする場所)となった場所で、私が生まれる1年前(1973年)に日本政府に返還された経緯がある。幼いころ、このあたりは「射爆場跡」と呼ばれていて、海まで続く道の隣に、延々とだだっ広い空き地があるなあ、という印象だった。
それが今や、ロックフェスファンには『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』の開催地として知られるようになり、ゴールデンウィーク前後には、丘一面を水色に染めるネモフィラの花がNHKニュースの終わりの方で紹介されるようになった。ここしばらく、ふうん、そうなんだあ、と思うだけで訪れていなかったのだが、実際、来てみるととても気分のいいところで足取りが軽くなる。
何年も乗っていないが、松林の中をあまり早いとはいえないスピードで駆け抜けるジェットコースターや、海をぼんやり眺めながら乗れる観覧車も楽しい。
バーベキューブースもいくつかある。次来る時は、那珂湊でたくさんの魚介を、直売所でたっぷり野菜を買って、ここで焼いて食べたいなあ。